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リートは買い時!

新型コロナウイルスの感染拡大に揺れた2020年の投資信託は分類別の勝ち負けが鮮明だった。運用成績は株式型がプラスとなった一方、不動産投資信託(REIT)型は大幅なマイナスとなった。とはいえ、資金は必ずしも運用成績が好調な投信に向かったわけではない。コロナ禍の相場を読みあぐねる個人は多かったようだ。


日興リサーチセンターによれば、20年の公募投信の資金流出入(上場投資信託=ETF除く)は18日時点で1兆9000億円の流入超だった。分類別で最も流入額が大きかったのは世界株型(為替ヘッジなし)の2兆3000億円だ。個人の関心が強く、この1年はほぼ一貫して流入が続いた。

世界株型が人気を集めた理由は運用成績にある。基準価格(分配金再投資ベース)の平均騰落率を見ると、世界株型(為替ヘッジなし)はプラス8.1%だった。なかには、革新的サービスを生み出す企業に選別投資する「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」(日興アセットマネジメント)や自動運転関連銘柄に投資する「eMAXIS Neo 自動運転」(三菱UFJ国際投信)など上昇率が2倍を超えた投信もあった。世界株型は米グーグルなどIT大手を中心に個人の先高観が強く、実際に運用成績も好調なことから資金が集まりやすかった。

REIT型は資金を集めながらも運用成績が振るわなかった。純流入額は4000億円弱だった一方、運用成績は年間でマイナス13.0%となった。新型コロナの感染拡大で人の往来が制限されたことでホテル系や商業系のREITが低迷したためだ。プラスの運用成績を確保した投信はわずか数本にとどまった。

REIT型は11~12月に資金流出超となっている。「国内外の新型コロナの感染再拡大でREITの先行きに対する厳しい見方が改めて強まり、個人の関心が薄れている」(SMBC信託銀行プレスティアの山口真弘氏)という。

国内株型からは資金が流出した。運用成績はプラス9.5%と世界株型と同じく好調だった一方、資金流出入は1兆2000億円の流出超だった。日経平均株価は29年ぶりの高値圏に浮上したが、人口減少などを背景に海外株に比べ先高観が盛り上がりにくく、個人は上昇局面で利益の確保を急いだ。

新型コロナの感染拡大による景気の下振れ懸念により、世界の中央銀行は当面、大規模な金融緩和を続ける公算が大きい。金利の低迷で債券による運用は難しくなり、株式投資は個人にとっても重要性を増している。世界株型の投信は21年も個人の資産運用の中心として存在感を強めそうだ。

〔日経QUICKニュース(NQN) 川上純平〕
 

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