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役所に手続きすれば簡単に「戻ってくる」「もらえる」お金

  国や自治体のお金の制度は、目まぐるしく変化している。たとえば、この4月から、住宅の購入資金を親や祖父母からもらう際に利用できる住宅資金の贈与非課税枠が最大3000万円にまで拡大される。これを皮切りに今年の6月からは次世代住宅ポイント制度(リフォームした場合、最大30万円相当のポイントを支給)の創設、10月からはすまい給付金の最大50万円への拡充など様々な支援策が打ち出される。

今回本誌は、国や地方自治体の最新のお金の制度を一覧にまとめた。

 
住まいや暮らし、医療に関するものや、家族の死、さらにはドロボーに入られたときまで、国や自治体はあらゆる支援制度を用意している。だが、こうした制度は税金が原資となるだけに、役所が大々的に喧伝するわけではない。自ら手続きしなければ、恩恵を受けることは一切できない。ここからは、どのような手続きを踏めばいいのかを紹介していこう。

すでにマイホームを持っている人が利用したいのが、住宅改修予防給付だ。65歳以上であれば、バリアフリー改修工事を行うと、工事費の9割程度が支給される。

「手続きは簡単です。近所の地域包括支援センターへ行き、自宅の不便な点を相談し、チェック表に記入するだけ。あとは包括支援センターの職員が必要書類を取りまとめて、自治体との交渉を進めてくれます」(ファイナンシャルプランナー・横川由理氏)

 

診断書を出すだけで117万円
こうした制度は、自治体や市区町村によって、受けられる内容や手続きの方法が異なってくる。自分の住んでいる地域の制度をしっかり確認することが大切だ。

「最も良い方法は自治体の広報紙をチェックすることです。自宅に届く人もいるでしょうし、役所に行けば必ず置いてあるはずです。1月、4月、7月、10月と四半期ごとの区切りには、特に多くの行政サービスの募集が始まるので、概要をチェックするとよいでしょう」(ファイナンシャルプランナー・井戸美枝氏)

 
高齢化が進む中、とりわけ恩恵が大きいのが、医療に関する制度だ。支払った医療費が一年間で10万円を超えた場合、超えた分が所得から控除され、税金が戻ってくる医療費控除については知っている人も多いだろう。だが、10万円を超えていなくても所得から控除される制度があるのをご存じだろうか。セルフメディケーション税制だ。

「風邪薬や鎮痛剤などの中で特定の成分を含有した『スイッチOTC医薬品』の購入額が1万2000円を超えていれば、超えた分が最大8万8000円まで所得から控除されます。利用条件は健康診断を受けるなど、健康を維持するための取り組みをしていることです」(前出・井戸氏)

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対象製品にはパッケージに「セルフメディケーション税控除対象」の表記があるほか、レシートの品名の前に★印が記載されている。確定申告の際に明細書と、健康診断や人間ドックの結果通知表などを提出すれば手続きは完了だ。市販薬を買った際のレシートは捨てないようにしたい。

また、病気や怪我で後遺症を負った場合にお金がもらえるケースもある。それが障害手当金だ。

「骨折で足首が動かなくなった等の障害を負った場合に、最低でも約117万円が、一時金として支給されます」(井戸氏)

障害手当金は、受給に厳しい基準が設けられている障害年金よりも、認定のハードルが低いことが特徴だ。厚生年金に加入してさえいれば手続きできる。年金事務所の窓口で必要書類の説明を受け、かかりつけ医に相談して、診断書をもらおう。これを窓口に提出するだけで、手続きは完了だ。

 

ドロボーに入られたら確定申告を
今や65歳は「老後」ではなく、これからも長く働いてお金を稼いでおきたいと考える人も多いだろう。そうした人が定年後に新たな仕事を探すのに役立つのが高年齢求職者給付金だ。

「'17年1月より、65歳以上の人も雇用保険に加入できるようになりました。65歳以上で失業し、求職していることが受給条件です。老齢年金と同時に受給することも可能です」(前出・横川氏)

ハローワークで求職の申し込みを行い、失業状態であることが認定されれば、離職直前の給料の約5~8割を最大50日分、一括でもらえる。バカにならない金額だ。

 
定年後に再就職したものの、妻が寝たきりの要介護の状態となり、仕事を休んで介護をしなければならない。そんなときに心強いのが介護休業給付金だ。通算93日分を限度に3回まで、給料の約3分の2程度が雇用保険から支給される。

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「勤務先に申し出れば、事業主が申請手続きを行ってくれます」(介護ぷらす代表・山川仁氏)

失業や介護などとは別に、不慮のアクシデントに見舞われた場合に救済してくれる制度もある。たとえば、家に空き巣に入られ、お金を盗まれた際に、損害の一定額を所得から控除できるのが、雑損控除だ。

盗難の他にも災害や横領などで資産に損害を受けた際にも利用できる。損害が大きく、所得金額から控除しきれない場合には翌年以降3年まで繰り越すことも可能だ。警察に盗難届を提出し、雑損控除の申告のための証明をもらい、確定申告の際に提出しよう。

簡単な手続きさえすれば、取り戻せるお金はたくさんある。何年生きるかわからない時代だからこそ、しっかりと覚えておこう。

 

 

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