2019年の1月末にLINE Pay株式会社は、LINE Payに対応したVisaブランドのクレジットカードを導入すると発表しました。
LINE Payクレジットカードのスペック
今回発表されたクレジットカードの基本スペックは下記のようになっています。
基本還元率
初年度のみ3%
カードブランド
Visa
その他
優待特典あり
Visaのタッチ決済機能搭載
LINEクレジットカードの初年度の基本還元率は3%と非常に高くなっています。ただし、通常の還元率はまだ公表されていません。
1.5%などの高還元率であれば即作るのですが…さすがにないとは思います。今一般カードで一番高いのはREXカードで1.25%です。
特に何もなければ、通常時は平均的な1%である可能性が高いと思われます。
あっても1.2%
クレジットカードブランドはVisaのみの対応となっていやす。Apple Pay等は対応してないので注意が必要ですが、それ以外は特に問題ありません。
Visaの加盟店は国内外あわせておよそ5,390万店舗。カードブランドの中では最多ですから、あらゆるお店でLINEクレジットカードを利用することができます。
また、Visaのタッチ決済機能にも対応しているので、素早く支払いを済ませることが可能です。
LINEクレジットカードは、たとえLINE Payを利用してなくても、LINE Payと連携させる必要があります。
そのため。スマホを持っていない人は、LINEクレジットカードを利用することができません。
LINE Pay、クレジットカード導入の意図
LINEは日本で最も使われているSNSです。スマホユーザーの96%が使用しているそうです。すごいですね。
そんなLINEが、なぜクレジットカードの導入を決めたのでしょうか?
それはLINE Payを最大限に生かすための施策があったからです。
LINE Payは、「決済アプリ」です。
ショッピングの際、スマホ1つで支払いを完了できるまのですが、この「決済アプリ」というのは、2018年に大流行しました。なぜなら、同じような機能を持つ電子マネーよりも、ポイント還元率が非常に高かったからです。
他の企業も〇〇payという名前で次々にスマホ決済アプリを登場させましたよね。
楽天Pay
PayPay
Origami Pay
など。
楽天やソフトバンクグループ(yahoo)のサービスですから、楽天カードやyahooJAPANカードが使えます。
LINE Payが抱える弱点として、LINE Payだけはアプリにクレジットカードを登録できない、という弱点がありました。
クレジットカードが使えないのはかなりのデメリットです。
チャージの自動化ができるクレジットカードがなければ、面倒臭くてユーザーは離れていきます。
LINE Payはライバル達に比べて還元率が高く、使える店舗も多いという強みを持っていましたが、クレジットカードの登録ができないばかりに、ユーザーからの使用率が伸び悩んでいました。
LINE Payをチャージする際にはこれらの方法があります。
現金
銀行口座
LINE Payカード
しかし、現金はそもそも使いにくいです。
銀行口座は楽ですが、
LINE Payカードはクレジットカードではなくプリペイドカードなので、利用するためには、このカードにもチャージが必要になります。
LINE Payはとにかくチャージが面倒なのです。
一方、他の決済アプリではクレジットカードが使えるので、アプリの初期設定でカードを登録しておけば、次回からは簡単にチャージができます。
そうなると、クレジットカードが使える人は、LINE Pay以外のアプリを使うはずです。だって楽だもの。
だからこそ、LINEはクレジットカードの導入に踏み切ったのです。いや、元からクレジットカードを普及させる目的でLINE Payを高還元率で提供したのかもしれません。
もともと還元率も高く、優秀なアプリだったLINE Pay。LINEという日本最大のユーザー数を抱えたアプリからLINE Payへと誘導し、クレジットカードを作らせ、保険を提供したり、銀行を設立したりと、どんどん金融業に向かっていくのがわかると思います。
理由は簡単、儲かるからです。例えば、楽天も今では立派な金融業です。楽天市場をコアとしていますが、その収益は金融からもたらされているものの方が多いのです。
SNSやメッセンジャーアプリというのは、その国でトップシェアをとらなければ新しく勢力を拡大させていくことができません。LINEが主流なのは日本、タイ、台湾のみ。
海外に行こうとしても韓国はカカオトーク、中国はWeChat(微信)、アメリカはメッセンジャー(Facebook)が主流でおそらく変わることはないでしょう。
LINEだけでは成長できないのです。ですから、シェアを拡大させるためには新たな分野に参入するしかない。インターネットと相性のいい金融に行くのは必然なのです。
ポイントの二重取りでLINEクレカは普及する
「クレジットカードのポイント」と「LINE Payのポイント」を2重取りできる可能性があります。
しかし、ライバルの決済アプリはポイント2重取りが可能となっているため、LINEも同様にポイント二重取りができる可能性は高いと言えます。
初年度のみですが、LINEクレジットカードのポイント還元率は3%です。対して、LINE Payのポイント還元率は以下のとおりとなります。
グリーン
2%
ブルー
1%
レッド
0.8%
ホワイト
0.5%
LINE Payには「マイカラー」と呼ばれる制度が導入されており、各カラーに応じて還元率が異なります。それぞれのカラーの適用条件は以下のとおりです。
条件
グリーン←月の合計決済額10万円
ブルー←月の合計決済額5万円~9万9,999円
レッド←月の合計決済額1万円~4万9,999円
ホワイト←月の合計決済額0円~9,999円
2019年7月31日まで、基本還元率UPキャンペーンがあり、キャンペーン中は、どのマイカラーに対しても、基本還元率が+3%
トータルで以下の還元率になります。
グリーン
2%→5%
ブルー
1%→4%
レッド
0.8%→3.8%
ホワイト
0.5%→3.5%
LINEはまだまだ伸びる
クレジットカードという新たな武器を手に入れることで、LINEはさらに楽天やYahoo!に迫っています。個人的に楽天とLINEは伸びると思っています。Yahoo!は国内での検索エンジンのシェアがGoogleに負けていますし、まだ厳しい状況だと思いますね。Googleのまっぷや改悪等があれば、Yahoo!にユーザーが流れることはあると思いますがなかなか…
ソフトバンクユーザーであればYahoo!をよく使うでしょう。ショッピングでもYahoo!やロハコを使えばかなりポイントが貯まります。
ポイント還元率で言えば、ソフトバンクグループで固めるのが一番いいのですが、格安sim等に移行するとその恩恵を受けられませんから、格安sim+楽天の方がトータルでは安くなると思います。
そこにLINEが入るかどうか。LINEの銀行や支払い、カード等は流行ると思いますが、LINEのショッピングは流行らないんじゃないかと…
見辛いですし、安くはないですからね。品揃えもまだ少ない。
楽天も見づらいですが、ポイントの還元率を高めると安いので通販で買うときは専ら楽天になってますね。
競合が増えて競争が生まれることでより良いサービスが受け取れますので、消費者的にはどちらとも応援するのが良いです。最終的には自分の使いやすいサービスを使いましょう。