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消費税還付は使えないものと考えておく

消費税還付は封じられました

政府は賃貸アパートの大家の間で広がっている消費税に絡んだ節税策を防止する。金取引を繰り返して売上高をかさ上げすることで、本来認められていない税の還付を得るという手法を使えなくする。10月の消費増税で公平な課税への意識が高まっていることから、制度の抜け穴に厳しく対応する。

与党の税制調査会での議論を経たうえで、2020年度の与党税制改正大綱のなかに制度の見直しを盛り込む。

アパート大家の節税策防止 政府、消費税絡みで: 日本経済新聞

 

消費税還付とは?

消費税還付は、多法人隠しスキームと相性が良かったために爆発的に広がり、多くの不動産投資家が活用してきました。

しかし、この消費税還付が封じられます。

 

賃貸住宅オーナーの税逃れ防止 金取引利用し、消費税の控除悪用―20年度税制改正

賃貸住宅のオーナーが建設・取得時に支払う消費税をめぐり、本来認められていない税の還付が控除ルールを悪用する形で不適切に行われているとして、政府・与党が制度改正を行う方向で最終調整に入ったことが25日、分かった。本業とはまったく関係ない金などの投資商品の取引を繰り返して売上高を増やし、消費税の還付を受ける手口が広がっているため、オーナーに還付されないように改める。-20191126 jiji.com–


また、春ごろに国税庁からの通達でも不動産投資のおける消費税還付を感じる通知が来ています。

 

1.課税売上割合の計算に含めると事業者の事業実態からかい離することとなる場合には、当該資産の譲渡に係る売上高を課税売上割合の計算から除外する。

 

2.若しくは、事業者が算出した課税売上割合が事業実態からかい離する課税売上割合と認められる場合の事後的否認規定を措置する。


※税務通信3549号より
金売買などによる、事業実態から乖離した売り上げを除外するような意見となっています。

 

消費税還付の仕組み

消費税を支払う課税業者と、支払う必要がない免税業者に分かれています。

課税売上が年間1000万円を超えると課税業者になります。

課税業者が支払う消費税は、事業者の消費税

収める消費税 = 預かった消費税 - 支払った消費税
となっています。

預かった消費税より、支払った消費税が多いと、消費税が還付されるという仕組みになっています。

消費税を支払った額が大きいとなると、消費税が還付されるのです。これが消費税還付の仕組みです。

 

不動産投資家は免税業者

課税売上が1000万円未満の場合は、免税業者になります。

収入は家賃ですが、家賃に消費税がかからないので不動産投資家はほぼ免税業者になっています。

免税業者の場合、消費税を税務署に収める必要がありません。

売り上げで受け取った消費税と、支払いで支払った消費税はそのままです。

つまり、受け取りの消費税が多いとお得で、支払いの消費税が多いと損するということです。

 

消費税還付のメリット

  1. 初期に現金が戻ってくる
  2. 多法人隠しスキームと相性が良い

 

消費税還付のデメリット

  1. 税理士報酬がかかる(20%)
  2. 建物の簿価が減り減価償却が減る
  3. 課税業者期間は不動産を売却すると消費税を支払わないといけなくなる

 

消費税還付してくれる税理士さんは、還付金の20%前後の報酬を取ります。

そして、消費税が還付された金額の分、建物の簿価が減ってしまうので減価償却が減ってしまいます(売却の時は売却益がかかります)。

また、課税業者期間(3年間)に不動産を売却した場合、消費税を支払わないといけません。

 

参考:自動販売機での消費税還付はこうして封じられた)