不労不支@774Netz

不労不支を目指します

ゴールドマンが日本の不動産に投資?

ゴールドマンはリーマン危機前も日本国内の不動産へ活発に投資していた=ロイター 米ゴールドマン・サックスは日本での不動産投資を拡大する。投資額は従来の年1000億~1500億円から倍増となる2500億円規模にする。需要が拡大する物流施設やデータセンターのほか、企業が売却する不動産への投資を見込む。大口の投資家の一角にゴールドマンが加わり、不動産取得競争が激しくなりそうだ。 日本は新型コロナウイルスが流行するなかでも物流施設や賃貸マンションの稼働率が安定している。他国に比べ金利が低いことも、海外投資家にとっての投資魅力を増す。不動産サービス大手JLLによると、2020年の海外投資家による国内投資額は約1兆5000億円。ゴールドマンは、米投資ファンドのブラックストーン・グループなどと並ぶ大口の投資家となる。 新型コロナウイルス下での電子商取引(EC)の定着や、データ通信の拡大で需要が高まっている物流施設やデータセンターの開発に注力する。4月末には大阪府和泉市で約5万2000平方メートルの土地を購入し、24年完成を目指して大型物流施設の開発に着手した。 業績が悪化した企業が売り出す不動産にも投資する。20年にはカーナビ大手のフォルシアクラリオン・エレクトロニクス(旧クラリオン)から本社ビルを購入した。企業の売却後も当面入居し続ける例が多く、買い手側は安定した賃料収入が見込める。 ゴールドマンは世界で不動産部門の再編をおこなっている。日本ではゴールドマン・サックス証券の自己資金投資部門と、運用会社ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)の不動産部門を統合する。人材を効率活用することで、外部投資家を募って大型のファンドを計画中とみられる。新たに設立するファンドの資金を活用し、日本を含む世界で不動産への投資を拡大する。 ゴールドマンがかつて投資していた「ティファニー銀座本店ビル」(東京都中央区) ゴールドマンはバブル崩壊後の1990年代後半、不動産担保付き不良債権への投資を中心に、日本市場に参入した。2000年代中盤の最盛期には東京・銀座の「ティファニー銀座本店ビル」(東京・中央)も取得した。08年のリーマン危機で多額の損失を被った。その後、大手金融機関に投資規制が課され、投資事業を縮小していた。 10年代以降は米ブラックストーンなどファンド専業が不動産取引の中心となっている。低金利による運用難が続くなか、ゴールドマンは比較的高い利回りの見込める不動産への機関投資家の需要は高いとみて投資拡大に打って出る。日本では海外投資家による取引が活発化し、JLLによると20年は全体の取引額の3割強と、過去最高だった07年以来の水準だった。