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不動産投資の始め方

定年後の収入源をつくる方法として人気なのが不動産投資。特にここ数年は世代を問わず不動産投資を始める人が急増している。不動産投資情報サイト「健美家」の9月の利用者は前年同月比35%増で、2年前からは倍増している。「2013年頃から続いている不動産投資熱は東京五輪後に落ち着くといわれてきたが、むしろ投資家の裾野が拡大している。需要は非常に強く、登録物件の価格は高止まり状態」(健美家の倉内敬一社長)という。過熱感もある今、定年後の不労所得を前提に不動産投資を始めるとしたらどんな点に気を付ければよいか、専門家にポイントを聞いた。

「どんな投資がしたいのか」をイメージ

 
不動産投資と言ってもスタイルは多種多様だ。どこにどんな物件をどうやって買うかなどで投資の収益性や難易度はまるで違う。本人の性格や年収、自己資金などもスタイルに関わってくる。

まずは不動産投資の本や投資用不動産情報サイトのコンテンツなどで一通りの知識を仕入れ、同時に自分はどんな不動産投資をしたい(できる)のか、そもそも向いているのかなどを考えてみる。

定年後の不労所得確保なら、少額で始められる中古マンションが比較的リスクが小さいだろう。500万~1000万円程度の物件で、資金の借り入れから購入、入居者の募集、管理会社への指示、納税など賃貸経営を一通り、勉強のつもりで経験してみる。「続けられそうだ」と思えたら買い増しなど次のステップを考えたい。

購入に際してはローンを使った方が投資利回りはアップする。会社員なら場合によっては全額ローンで購入することも可能。つまり自己資金ゼロでも投資をスタートできる。とは言え自己資金なしで投資を始めるのは危険だ。修繕など突発的な支出への備えも必要になる。最初は物件価格の3~4割程度の自己資金は用意したい。

初心者にとって一番厄介で気になるのが物件探しだ。投資スタイルも固まっておらず、大家仲間や不動産業者といった人脈もない状態からのスタートはやはり大変だ。長期安定収入が見込める物件はベテラン投資家も喉から手が出るほど欲しがっている。

優良物件に出合うには目利き力を養い人脈をつくっていくしかない。投資情報サイトで気になる物件を見つけたら現地に赴いて販売元から話を聞く。ネットで探した大家の会などに参加して人脈をつくるのが結局は早道だ。身近に不動産投資をしている人がいるなら教えを請うのもいいだろう。

大家業は不動産を購入してからも入居者募集、家賃集金、退去後のリフォームと手間は掛かる。自分で積極的に関わった方が利回りも経験値も上がるが、仕事で時間が取れないような会社員なら、管理の面倒まで見てくれる会社から買うのも選択肢の一つだ。

投資本を読み込んで勉強

 
不動産投資を始めるならまずは勉強だ。「投資本を100冊くらい読む。すると共通点と相違点が見えてくる。共通点が不動産投資の本質的な部分。相違点は大家ごとに異なるスタイル。そこを自分で選んでいく」(ファイナンシャルアカデミー 不動産投資スクール講師の束田光陽さん)

サラリーマン大家歴26年という芦沢晃さんは、サラリーマン大家が主催する勉強会に参加するのもいいという。「自分と似た背景を持ちながら不動産投資をしている人からは学びも多い。ただし、最低限の知識と欲しい物件の具体的な情報くらいは準備してから参加したい」

物件探しは「健美家」や「楽待」といった投資用不動産情報サイトがスタート地点になる。「まずは数多くの物件を見て目利き力を養う。100件も見れば相場観も身に付き、業者にもだまされなくなる。地場の不動産屋さんと対等に会話ができるようになるのが目標」(束田さん)

実際の投資対象としては、束田さんは都心近郊のファミリー向け中古マンションを推す。「買って住みたい層の人気はないが、借りて住むには十分という物件が狙い目。価格がつり上がっていないので利回りも出やすい」

芦沢さんは都心近郊の中古ワンルームを推す。「都心なら多少の駅遠でも賃貸需要が強いエリアが必ずあり、物件の個別事情などで有利な利回りで売りに出ているケースもある。こういった物件を探す。可能なら信頼できる大家仲間に見てもらってから買いたい」